気付くと瑠茄が俺の服を引っ張っていた。
　
落ちないようにしてくれていたらしい。
　
「ありがとう。…で、誰だよお前」
　
瑠茄にお礼を言ったあとからが本題だ。
　
「わ…わからないの？」
　
その金髪の少女は、予想以上に腑抜けた声が聞こえてきたので少し苦笑。
　
「…面倒事に巻き込まれるのは嫌だから、行くわね」
　
瑠茄は機械のように冷静な声で言い、くるりと後ろを向いて進んでいく。
　
「あ…待てよっ」
　
だが…
　
俺が追いかけるより早くに、そいつは瑠茄に抱き付いて動きを制止させる。
　
「瑠茄ちゃあん♪逃げなくてもいいじゃない♪」
　
「気色悪いから離して」
　
「おい…」
　
「嫌だって言っ…ぐっ…がっ」
　
あーあ。
　
手遅れか。
　
金髪少女がむやみに瑠茄に抱き付いたために、瑠茄は怒って金髪少女に肘打ちを喰らわせたのだ。
　
オマケに今回はそれで倒れた金髪少女を踏みつけている。
　
「あぁっ…瑠茄ちゃっ……だ…だめえっ」
　
でも、金髪少女はドのつくＭだったらしく、喜んでいる。
　
「ちょっと…この変態なんとかしておきなさいよね」
　
そして瑠茄は早急に去っていった。