そうとなればさっさと片付けないとならないわと
思いながらバタバタ資料整理をしていると。
「・・・・・ごめん」
舌足らずでもいいと思う。
口下手だったとしてもあたしは気にしない。
言いたいことが言えないのならあたしが
言えるように雰囲気を作る努力だって
してもいいとさえ思えた。
室内の片隅で窓を眺めながらため息を吐く
京君を見つめた。
「はい?何故に謝るのですか!!」
京君の謝罪の意味が分からない。
むしろ、こんなあたしに付き合って頂ける
のにあたしが土下座した方がいいぐらいなの
ではとさえ思った。
「・・・さっきの悪気があったわけじゃない。」
そんなの分かってる。
京君の内面に踏み込み過ぎたあたしが悪い。
「うんっ、あれはあたしがよくなかったよね。
気分はどうですか?飲み物の他に何かないか
と探したのですがあまりいいものが見つから
なくてゼリーがありますよ。」
コンビニの袋からゼリーを取り出して、
京君の近くに置いた。
あたしも一呼吸置こうと思って半分ほど
片付いたテーブルの上に買ってきたゼリー
を乗せて透明スプーンを透明の袋から出す。
「・・・・・気付いてた?」
京君は窓に肘を乗せたままあたしを見る。
クーラーの効いたこの部屋はさっき廊下
に出た時より冷えてて寒いなと思った。
「具合が悪いのかなと思っただけで、
その無理しないで言ってくれれば良かった
のになと・・・」
京君は分かりにくい男の子だ。
「無理は・・・・してるか。」
その瞳が曇り空を見つめていた。
ドキドキするような京君の瞳を
鷲づかみする今日のお空にジェラシーを
感じながらもゼリーを掬う。