正攻法で必ずやそのお心頂戴してみせるわと

決意したからとくに気にもならなくなってきた。

「京君、そういえばゲームがお得意だそうですね。」

この間、ナル君が言ってたわ。

ペットボトルを流し込む京君をチラリと見る。

「・・・・・ある程度するぐらい。」

でも、ナル君もユウヤも京君は強いって聞いた。

実に一度お手合わせ願いたいものだわ。

「因みに、何が一番得意ですか?」

オレンジジュースを流し込んで、

再び資料整理に戻った。

「・・・・・知らない。」

えっえええええ!?

知らないで強いとかある意味強敵だわ。

勝負して負けた時の悔しさ半端ないわ。

「そ、そうですか・・・」

一緒にやってくれないかしらと思いながらも、

ゆっくりじっくり攻めるを決めたのだからと

心に言い聞かせた。

「・・・何が好き?」

京君はこっちを見ずに窓の外を眺める。

「何でも好きですよ。あ、でも戦闘系は結構

自信があります。ストレス発散に丁度いいのです。」

ふふって笑いながら英語の教材をまとめて

本棚に詰める。

「・・・・・誘ってくれればやるけど。」

ボソリと呟く京君をガン見した。

2度見ならず3度も4度も見た。

「そんなに見られると困る・・・」

ぎゃーっ!!

見ましたかこの照れ方。

ズドンズっキュンですよ。

砲弾投げ込まれたかのごとくのトキメキ。

「絶対に一緒にやって下さいねっ!!」

何度も心を折らずに誘い続けてやるわと

たった今決めた。

嬉しさが込み上げてニンマリしながら、

本棚に資料を並べる。

俄然やる気が出て来たわ。

資料整理なんてパッパと終わらせて早速

京君をゲームに誘わねば!!