学校の自販機にオレンジジュースが売れ切れという

付いてなさにコンビニへ歩くことにした。

丁度、いいから頭を冷やそう。

曇り空があたしを責めているような気がして、

気分が重くてイラつきさえした。

コンビニに溜まってた集団に声を掛けられたが

ガン無視でコンビニに入って飲み物コーナーの

オレンジジュースを手にして少し考えた。

京君に聞いて来るの忘れてた。

どれにしようかなと思いながらいつも

京君は何を飲んでいたかなと脳内をリピートする。

京君は基本2種類の飲み物を口にするところしか

今のところ見たことがない。

それも結構限定的でユウヤが今日はどの気分だろうな

って言ってたことを思い出す。

曇り空のこの日に烏龍茶よりもこっちのスカッと

した炭酸だろと迷わず手にした。

そう、京君はお茶を必ずと言っていいほど烏龍茶

しか飲むところを見たことしかない。

それとこの限定の炭酸飲料を飲んでいたこと

があるのを実は知っている。

他の炭酸飲料はってユウヤに聞くとアイツは

笑って言ってた。

『京はこれが好きなんだよ。』

ユウヤの言葉を信じてそれとあたしのオレンジ

ジュースをレジに通した。

そして、コンビニを出ると何だか頭も冷えてきて、

少しスカッとした気分になった。

コンビニに居た連中に暑くないっすかって

声掛けられたが知らずに校舎へ走った。

そうだよ、気にすることない。

難しい京君とは少しずつ馴れ合えばいいじゃない。

サユと友達になった時だって努力したように、

京君も時間を掛けて打ち解けるようにあたしが

頑張ればいいのよっ!

サユとだって最初は踏ん張りが大事だった。

あたしが必死になってでも友達になりたいと

思えたんだから苦労してでも今の関係が築けたように

みんなの気持ちだって気長に待てばいい。

焦ることなんてなかった。