この子、意外と力あるんだった。

キャラメルハニー色の髪はふわふわ揺れて、

よく頑張ったのかほっぺが黒くなってる。

「ナル君、頑張ったね!

ほら、よく解けてるじゃないか。

ヨシヨシ、ほっぺが真っ黒に・・・」

ポケットからハンカチを取り出して、

ナル君の頬を擦った。

馨君が教えた甲斐があったのか基礎的な

問題が解けるようになったみたいだ。

あたしが練りに練った対策プリントが

数式で真っ黒になってて作った甲斐が

あったなと感心した。

「ヒヨリン、俺もめっちゃ頑張ったぞ。」

ユウヤがプリントを見せてくる。

「おうっ、ホントだ。

やれば出来るじゃないか。

その調子で頑張ってこう!」

みんな夏休みが掛かってるからね。

頑張るのも当然だよね。

中間はそれほど影響力がなくとも期末は

成績に影響力がある。

「日和、行くよっ」

サユに引きずられながらみんなの居る教室を

後にした。

「うむ」

サユを荷台に乗せてブツブツ暗記している

サユに構わず自転車を漕いだ。

「今日はマコ君来ないの?」

「あ、うん。」

「今頃ダディはジョセフィーヌの散歩に行って

くれてるのかしら?」

期末の間はジョセフィーヌの面倒を見ると

ダディーが言っており毎日散歩に行けて

ジョセフィーヌも喜んでた。

「じゃない?」

サユはダディの熱さに影響ない子だ。

マミーの遺伝子最強だ。

マミーは今日の夕飯何を作ってくれて待って

くれてるのかしら?