京君の氷のような瞳に攻撃されるもぐふふっと
笑ってしまうばかりで京君が不貞腐れてそっぽ
向いてしまった。
「・・・・・見る。」
ふほほっ、京君照れてる。
テーブルに肘を付いてそっぽ向く京君を
微笑ましく見ながら資料に目を移す。
「例えば、どんなのを見ますか?」
あたしはオールジャンルで何でも見る派だ。
いろんな世界を知るためにも好き嫌いはなく
何でも見るが競馬や野球とかは見ない。
時代劇とかドラマとかお笑いとか歌番組とか
そういうのをよく見る。
「どんなのって・・・よく分かんない。
・・・チャンネル回さない。」
えっええええ!?
じゃあ、どうやって見てるの!!
もしかして、京君にはエスパーな力が
備わっているのかもしれない。
超能力が使える疑惑の京君を見ると、
「・・・・・・ッフ」
何、その輝く笑顔は!!
久しぶりに見たわ。
この子、あまり笑わないんだもの。
食わず嫌いならぬ笑わぬ王だ。
京君を笑わせるのは空から槍を
降らせるぐらい難しい。
「どこか、ツボに入るところありました?」
ギョッとしながら京君を見つめると、
「・・・ひよこって顔に出る。」
えっ、考えてること分かってしまったの!!
そりゃ、少しばりにも気を付けないと。
「・・・能力者なわけない。」
口にも出ていたのかもしれないわ。
妄想は少し自粛しようと心に誓った。
妄想はお家だけで十分よ。
失態に失態を重ねてあたしの妄想癖は
今やみんなに知れ渡っている。
(不良メンバーズにだ、決してクラスメイト
全員にバレているわけではない)