窓から見える雲はどこまでも広がってて、

やっぱり今日は雨でも降るのかなとふと

物思いに更けてみた。

帰ったら洗濯でもしようと思ってたのに、

困ったわね。

明日は晴れてくれるかしら?

天気予報をちゃんと見ればよかったわ。

昨日の夜、ついに夏休みに入るのだと

思ったらつい嬉しくて夜更かししてジョセフィーヌと

読書をしていたらいつの間にか12時を過ぎていたもので

急いで寝たわ。

「京君、そのお時間取らせてしまいすいません。」

よくよく考えて見たら京君は何か用事が

あったのではと思いついた。

それをあたしなんかの間抜けが気付かず、

お誘いしたばっかりに。

「・・・別にいい。」

何度も言うが京君は照れ屋だ。

涼しい瞳のままでもその照れっぷりは可愛い。

いつもはクールビューティーで結構冷たい

男の子なのに、こういうところを見ると

内側を見ている気がして嬉しかったりもする。

「何か、食べます?」

ポケットからナル君にもらった煎餅とクルミ

ちゃんからもらったクッキーとキャンディ。

「・・・・・・・・・」

無言でキャンディを手にする。

マスカット味のキャンディを

口に放り込む京君にクスリと笑って、

資料をテーブルに乗せて早速整理を

始めることにした。

パイプ椅子を京君に渡して、

自分の分もテーブルに設置してから

テーブルにある資料を広げた。

「京君はテレビを見たりするんですか?」

ふと何か話題がないかしらと捻り出したのは

テレビなんか見たりするのかしらだった。

京君がテレビを見ているイメージなんて

全く想像付かない分ぐふっと笑った。