いや、普通はあんな感じで怖がるものです。
あたしの知ってる限りで黒い物体を見たら
サユみたいに女の子は怖がり助けを求める。
「確か、さっきこちらで拝見した・・・」
カサカサッ
黒い物体がプリントを上げたらその姿を
あらわしあたしに迫ってきた。
あら、ヤダ。
何か戦闘グッズ掴んでからにすれば良かったわ。
まぁ、いいや。
この上履き今日で去らばだし。
新学期は新しいものを買い揃えねば。
その黒い物体を踏んづけた。
良い具合に踏み潰すのが良い。
内臓やらが飛び散らないように気絶させるのが
ポイントでありこれは母さんからの伝統的に伝授
された秘技である。
「ひ、日和ちゃんっ?」
馨君と目が合う。
その潰した物体を確認して手に乗せた。
「はい、何でしょう?」
こんなところに居たら殺されちゃうわ。
外に逃がしてあげなきゃ。
「ご、ご、ゴキブリっ!!」
ナル君が顔を真っ青にさせる。
あたしの手に乗せられた黒い物体とはそうです。
世界的にも嫌われ者ランキング上位者のゴキブリさんです。
そして、サユはこの世で一番嫌いなものとして殿堂入り
している生物です。
「日和ちゃん、そういうの平気なの?」
馨君もどうやらゴキブリは苦手なようで、
「や、やめろっ」
慶詩に至っては逃亡を図る。
唯一平気そうと言ったら椅子の上で一休みする
ちぃー君とぎゃははって笑うユウヤ。
伊織君に至ってはあたしの存在を消しかけてる。
京君は興味なさそうに椅子に座ってその光景を
見下ろしていた。
サユは早く向こうに行けとばかりに眼力を強める
しだいでこのゴキブリの嫌われようと言ったら
可哀想なほどだった。