原因はあのコンビだろう。

「はぁー、ちょっと見に居てくる。」

馨君は大変だねっ。

そして、馨君は隣に行って戻って来ると

さっきの騒ぎはピタリと止まった。

さすが、ミステリーナイト馨君。

何を仕出かしたのか分からんがすごいぞ。

「日和、これ弾ける?」

ピアノは幼少の頃から嗜んでいた。

よくコンクールに出場した程度で、

他にもバイオリン、フルート、クラリネット

なども演奏することが出来る。

タイトルのない楽譜を見る。

先生は不在なのでやりたい放題だ。

「これは素敵なメロディーだと思う。」

掃除中にピアノは弾けないが長年の経験で

楽譜を見たらどんな曲かぐらい分かる。

「そうなの?」

サユはこういうのはあまり分からない子だ。

「日和ちゃん、ピアノも弾けるんだ?」

馨君がホウキでごみを集める。

その他2人はちぃー君ボケラン。

伊織君はケータイを弄りながら

ホウキを動かしている。

「まぁね。」

あたしに不可能なんて文字は存在しないのだ。

やれば成す!

バタバタと音を立てて入ってくる3人。

美術室の掃除どうしたよ。

「馨、ちゃんとやったよっ!」

ナル君は馨君にバタバタ駆けて行く。

あ、ナル君は本当に可愛いよ。

待てをかけられた子犬のように馨君

に向かって走って行く姿は悶絶ものだった。

ピラって紙が落ちる。

そこにガサガサと何か黒い物体が通ったのを

サユと見た。

「ねぇ、日和。」

あたしの肩にへばりつくサユはこの世で

多分一番嫌いなものだと思う。