机に残りの資料を乗せる。

一学期に使った資料ね。

これは夏休みの宿題に乗っていたわ。

「ふむふむ、復讐に丁度いいわ。」

ペラペラと資料を捲る。

自分でもよく分かってるつもり。

最近、環境の変化が激しいせいか、

体力も随分と使った。

「へぇー、これ誰に頼まれた?」

数学の資料をガン見中のあたしに届いた声は、

「・・・どうかしましたか相沢先生」

ニタリと笑う悪魔の囁きだった。

「それじゃあ、俺も頼もうかな。

他の野郎のことなんか聞くんじゃねぇよ。」

最後の何ですか?

「耳が腐ったみたいね。」

耳鼻科に行って耳掃除してもらわないと。

「数学っつったらあの野郎か。」

その口調止めて頂きたいわ。

「じゃあ、放課後までに用意しておくわ。」

いいよ、用意しなくて。

「ッチ」

舌打ちをこっそりかました。

全く、あたしを扱き使ってばっかりで

自分でやってもらいたい。

「日和?」

今の会話はあたしにだけしか聞こえてないぐらい

小さい声でのやり取りだった。

「あの茶髪眼鏡に制裁を下す時を見計らってやるわ。」

両手をついて土下座させて許しを請うまで

このあたしの貯蓄された怒りは収まらない。

大掃除はダラダラしながらもあたしの班は

音楽室の掃除当番で班は因みにサユとあたしと

ちぃー君と馨君と伊織君である。

すごく変な組み合わせだ。

未だかつてない組み合わせに若干ドキッと

しつつも他の4人が心配だ。

サユと雑巾で棚を拭く。

京君が居なきゃとんでもない班だと思う。

隣の美術室がやけに騒がしい。