クルミちゃんから贈呈されたのはあたしが甘いもの
苦手だと言うのを知っているので甘さ控えめのクッキー
でバリバリ食べた。
これで少しは持ちそうだわ。
「ヒヨリン、お腹空いてる?」
ナル君はお菓子を差し出してくれた。
「助かるー、」
煎餅だったからバリバリ食べれた。
甘いものが苦手なあたしにとって
煎餅はとても有り難い。
「立花ー」
あら、突然のお客様だわ。
ナル君の席の近くで煎餅を食べていたが、
口を押えて扉へ振り返った。
「はい。」
この人誰だったかしら?
先生に向かって失礼極まりない。
「申し訳ないんだが、この資料の整理を頼んでいいか?」
先生の雑用は委員長の役目です。
「ええ、構いません。」
キリッとしながら言うと、
「悪いなっ、午後会議があって先生居ないから
鍵渡しておくから終わったら戻しておいてくれ。」
本当に申し訳なくいうものだから愛想笑いを浮かべて、
「お気になさらず任せて下さい。」
これは数学の資料ね。
随分と乱雑だわ。
きちんと整理しておく必要がありそうね。
先生から受け取った資料に身体が埋もれて
しまうかと思った。
「日和ってお人よしよね。」
サユが軽々と資料を半分机に置いた。
「それが委員長の務めだとこの本が示してる。」
委員長になんてなったことすらなかった。
高校に入って初めてなった。
「でも、日和って断れないじゃない。
いや、言い方間違えた。
ほっとけないってつい引き受けちゃうタイプ
じゃないの?」
サユの言うとおりである。