そうだな。

あんまり考えたことなかったわ。

「あ、ほら車の運転はまだ出来ないし・・

んー何か他にあったかな?」

あ、でもあるじゃん。

「さーちゃん、あたし泳ぐのはあまり得意では

ないよっ!!」

見つけたわ!!

あたし浮き輪がないと遠くまで泳げない。

いや、泳げないわけじゃないけどそんなに

得意なわけでもなくて、海にさえ行ったこと

がないわけで毎度市民プールやらリゾート気分

が味わえちゃうプールでウォータースライダー

とか流れるプールとかで足がつかないとかなり

不安になる人だ。

「あー、それがあったわね。」

サユはようやく機嫌が良くなったようだ。

「日和ちゃん、泳げないの?」

馨君がキョトンとあたしを見る。

ナル君も首を傾げる。

「泳げないわけじゃないけど、あまり得意でなくて

ですね。足がつかないと不安になるのですよ。」

大体はサユにしがみついてばっかりだ。

プールではマコ君に悪いがサユを独占状態

になることが多い。

体育館に足を進める。

「そういえば、去年はプールで溺れかけて

なかったかしら?」

そ、それトップシークレット!!

サユはニヤリと笑いながら思い出す。

「さーちゃん、それ忘れてっ!!」

抹消したい過去の話。

確か、あれは近くにいた子どもに足を

捕まれて引きずられたんだよね。

プールの水飲んで生死を彷徨った。

「ヒヨリン、泳げねぇーのか?」

ユウヤが首を突っ込んできたじゃないか。

「泳げないのではない。

泳ぐのが苦手なのだ!!」

間違えるでないよ。