とりあえず、サユに一刻も早く連絡をと思い、
その日の夜に8月に入った2日と半日を空ける
ように連絡したら了解と返ってきた。
そして、夏休み間近といいながらも月日はどんどん
過ぎていき、とうとう待ちに待った終業式
の日がやってきた。
その日はやっと夏休み入るぞって日なのに
空は今にも雨が降ってきそうなほど厚い雲に
覆われて朝の選択は断念してきた。
自転車も雨が降りそうだったからやめて、
サユと歩いて登校することになった。
「日和、夏休みの宿題終わったんでしょ?」
そうなのです。
夏休みに入る前に終わってしまいました。
「サユはどう?」
サユは手さえ付けてないわよって言いながら
ため息を吐いた。
まぁ、それが普通なんですよ。
あたしはウキウキしながらやってたら終わって
しまったというヤツだ。
「夏休み入るのはいいんだけどね、宿題は
要らないわよ。」
サユはそう言いながら小石を蹴った。
そりゃあ、楽しいだけでは終わらないのが
人生ですよ。
人生谷あり山ありだからこそ楽しめるもんだ。
エデンの園に住んでるわけでもないのだから、
苦労しない生き方なんて出来ない。
「そういえば、今日はネクタイ着用なのよね。」
そうですよ。
終業式だから一応付けないといけない。
「あんたはいつも付いてるよね。
ええ、そうですよ。
模範生のような行動を取るのが委員長の役目だ。
風紀委員に示しのつかない姿を振舞わないように
と何度も言われている。
そんな姿を振舞った覚えはない。
だが、あたしの周りには制服をきちんと着れた
人が居るかと言われればノーと言える。