屋上に着くとよっちゃんたちがわいわいやってた。
何か、すごくいい匂いがする。
屋上は軽くパーティー会場と化した。
もっくんは笹に短冊を飾る係みたいだ。
「ほら、貸したまえよ。
あたしが笹に飾るよ。」
みんなの願い事見てやるわ。
「ひーちゃん、やっと来た。」
もっくんは手招きする。
「もっくん、お待たせ。」
随分と短冊がたくさん飾られてる。
下にばっかり吊るされてる。
「ひーちゃんのは天辺に飾るんだろ?」
そうです。
さっき、もっくんと軽く交わした約束ですよ。
「うん、えっとどうすればいい?」
もっくんは急にしゃがみだす。
「えっ、もっくんあたしそういう趣味は・・・」
もっくんを下敷きになんて出来ないわ。
「肩に乗って」
そういうことでしたか!!
「うん」
もっくんに肩車をして貰うといつも見る景色が
一遍して世界が変わった。
「届く?」
もっくんは父さんより高いよね。
すごく、父さんに会いたくなったよ。
「本当に天辺飾ってしまうよ。」
あたしの願いを一番上に飾ってもいい?
「いいに決まってるよ。」
もっくんの肩から手を伸ばして笹に自分の
短冊を一番星に近い場所に吊るした。
「みんなのも飾ってあげる。」
もっくんの肩車でみんなに近付いた。
「ヒヨリンが大きくなったと思ったら
もっくんだった!?」
ナル君は驚きながら短冊を出した。
「どうだね、これでチビとは言えまい。」
金髪ライオンを見下ろせるなんて気分がいい。
「もっくんが居なきゃ、チビに変わりないだろ。」
ムカッ!!
慶詩の短冊音読してやる。