「要らねぇー」

そう言うなし!!

人が心配しているっていうのに。

「なっ、伊織っ!!

ヒヨリンに変なことするな。」

ナル君が走ってこっちに来てタックルしてきた。

「ぐはっ」

衝撃の連続だ。

「こ、腰が・・・」

おばあちゃんになった気分だ。

ナル君のタックルは恐ろしい威力と・・・

気を付けるリストに即書き込みしなきゃ。

「ヒヨリン、大丈夫か?」

「いや、腰がねぇ・・・」

確実砕けたような気がしますよ。

「日和ちゃん、今日は来てくれてありがとう。」

馨君はクスクス笑いながらそう言った。

だから、その紳士さにズっキュンとすっぱ抜かれた。

「お礼を言うのはこっちですとも。

ナル君と一緒にお願い出来たのも、

みんなと一緒にこうやって星空観察

するのも楽しい。」

毎年、ジョセフィーヌと一緒にしてた。

あの星が彦星だよとか言うあたしにジョセフィーヌ

は毎年付き合ってくれてたのだ。

「日和ちゃんに喜んでもらえるならまた

誘うからね。」

もちろんですとも。

こんなちんちくりんで脳内お花畑のあたしなんかで

良ければどこでも参上する。

「ぜひとも、お待ちしてます!」

ふははって笑いながらよっちゃんたちが待ってる

屋上への道を歩き出した。

「ところで、ターヤンの願い事って何だったんだよ?」

慶詩、それまだ引きずるの!!

「じゃあ、慶詩の願い事教えてくれんの?」

取引してもいいけどね。

ターヤンには悪いが、ちょっと気になった。

慶詩の願い事とか大したもんじゃなさそうだ。