そんな時はきっと誰かが傍に居てくれることが

何よりも救いなんでしょう。

「ナル君は言ってくれましたよね?

この間、あたしが変質者に岩を投げたあの事件

の時のあの言葉です。

本当に嬉しかったのです。いつでも駆けつけて

くれるって言葉をそのままナル君にもあたしからも

プレゼントします。」

星空を眺める夜。

ナル君の匂いに抱きしめられながら見た星空は

ドキドキものだった。

可愛いこの子に心臓を爆破されるのではと思いながら

背中をポンポン撫でてあげた。

「・・・・・うん」

「怖くなったらあたしが駆けつけてあげましょう。

頼りないですけど、ナル君のためなら火の中水の中

忍法使って必ずや駆け付けますよ。」

忍法習わねば!!

帰ったらダディに紹介してもらいましょう。

「ふはっ、ヒヨリン本当にそうやって来そう。」

絶対に行きますよ。

まぁ、京様ほど逞しくはないでしょうけどね。

「いっ、行きますよっ。」

口だけではないですからね。

やると言ったらやるのです。

「待ってるよ。」

ナル君の笑顔を守るためならば頑張りますよ。

ヒロインらしからぬ行動に出ても責めないで

頂きたいが。

「すごく綺麗なお星さまが出ているので今は

暗闇ではないですね。」

ナル君の手を握って横に座った。

「うん、あれって天の川なの?」

ええ、このあたし星座にも詳しいのです。

大体、何座がどこにあるのかも知っている

わけですよ。

「そうそう、あれが織姫さんでこっちのが

彦星様ですよ。」

七夕の夜に年に一度だけ会えて良かったねと

思いながらナル君にどれが何かを説明し始めた。