正直、こんなこと言ってしまって良いのかしら?

個人情報の漏えいで訴えられたりしないわよね。

あたしが見たあの悪魔は今はだらしない保健医

やってるけど、昔はとんでもないぐらい荒れてた。

それも、反抗期ですかいってぐらいとにかく手の

付けようもない問題児だった。

「あんまり面白くないよ。

あたしも詳しくは知らないけどとにかく不貞腐れた

負のオーラ出しまくりの変死体を投げ飛ばした

ぐらいでその後泣きつかれたのは覚えてる。」

それからは昔以上にあたしに絡んできた。

気持ち悪いからやめろと言いたかったけど、

その日以来あの悪魔は泣くこともなくちゃんと

した生活に戻ったわけで。

「相沢も村田もヒヨリンに助けてもらったから

大事にしてるんだね。」

そうだろうな。

お兄ちゃんに頼まれたからってしつこいもん。

「さぁね、あたしにとってはすごい迷惑。

助けた覚えなんてないし、面倒なことに

首突っ込みたくないし、勝手に思い込んでる

んじゃないの?」

思い込みの激しい男はモテないわ。

「ヒヨリンはカッコイイな」

ナル君はエンジェルスマイルを繰り出す。

鼻血が止まったばかりだというのにその

キューティクルフェイスにノックダウン寸前だった。

「そういうナル君だって助けて欲しい日が来たら

絶対に助けてあげるよ。」

可愛い君を助けられるならば喜んで。

「えっ?」

「もちろん、殴ったりはしないよ。

あたしは言ったことに責任を持つから、

テスト以外だって役に立つ時が来るかも

しれないだろうしね。」

そん時は絶対に助けてあげますよ。

言ったことに二言はないわ。

卒業までは多分一緒だからね。

ナル君の笑顔を守るためならば森の中海の中

家事の中雪の中でだって逞しく立ち向かって

見せるわ。