ナル君がぷうっと頬を膨らます。

「怪しい」

この卑しさは一体どこから来るの?

すごく、嫌な気分だわ。

「すいません、嘘吐きました。

ナル君に嘘は吐けないわ。

心苦しいことこの上ない。

あ、あのさっき変態悪魔に鉢合わせした

だけで・・・・」

ナル君の手がぎゅっと力が増す。

どこにその力残してたのよ!!

内臓口から飛びでまっせ。

「それ、村田?」

ナル君がグイッと顔を近づけてくる。

眩しすぎるキューティーフェイス!!

「ヒヨリンと村田ってどういう関係なの!!」

ナル君、落ち着いてぇぇぇ

肩を思いっきり揺すられた。

「おおおおお兄ちゃんの友達だって。

昔、腑抜けたヤツを背負い投げして根性

叩き直したことがあるだけで、それ以上でも

それ以下でもなくてですな。」

あの悪魔もまたお兄ちゃんの存在に怯える

1人ではあるのだよね。

「誤解しないでくれたまえ。

あんな男死んでもご免だ。

むしろ、この命を神に捧げても構わんぐらい

絶対にありえない。」

変な勘違いしているとしたらきっぱりするべきだ。

「えっ?」

昔、荒んだ生活をしたヤツを心配する相沢ティーチャー

にお兄ちゃんがほっとけと言ってたな。

「それにあの悪魔には忘れられない女の人が居る。」

まだまだ子どもらしい小学生時代にお兄ちゃん

がたまたま帰ってきた時に遊びに連れてって

くれた時ヤツは死にかけてた。

食事もろくにとらないで餓死でもしたいのかと

思ったぐらいビックリした。

変わり果てた姿を見て幻滅したと言った方がいいかも。