目の前に居る人にパニックになる。

「えっ、ひーちゃん?

何でそんな顔面蒼白なの!?

だ、誰かに何かされたのか!!」

それは7年前突如高校には行かない。

父さんが突拍子ない人で母さんが

自由人な息子が普通に収まるわけはなかった。

「兄ちゃん・・・・・」

「もっと嬉しそうに笑うところじゃないの?

兄ちゃんと感動の再会だよ!!

ひーちゃん、大きくなったな。」

門に座り込んでいた兄ちゃんが

バタバタと駆けて来たと思ったら

抱き上げられた。

「や、やめろっ!!」

これだから、嫌だったんだ。

「ひーちゃん、照れちゃってる~」

イラっとするよ。

「兄ちゃん、臭い、暑い、煩い。」

全然、感動の再会じゃない。

7年経った今もちっとも変わらない

奇天烈兄ちゃんだった。

「君たちはひーちゃんの友達?

家の妹がお世話になってます。」

ハッ、みんなのことすっかり忘れてた。

「あ、あの、この人家の兄ちゃん。」

家族を紹介するとか一生来ないで欲しかったよ。

「はぁ?マジで兄ちゃん?」

「ヒヨリンのお兄さん?」

みんなもまさかの登場にビックリである。

「あははっ、君すごい可愛い顔してるよね。」

兄ちゃん、ナル君に何かしたらただじゃおかない。

「何ていうの、ひーちゃん。

すごい美形揃いだね。

ひーちゃん、今家に居れようとしたよね?」

うん、それがどうした?

「駄目だよっ!!

ひーちゃん、兄ちゃんは許しません。

ひーちゃんが純情なのを知っての来訪なのかい君たち!?」

家の兄ちゃんはとことんネジが外れてます。