「1人暮らしをしていると周りがみんな優しく
してくれる。可哀想だって思われている。」
それが嫌になって愛想笑いを作るのも嫌に
なったことがあったかもしれない。
「ヒヨリン・・・・」
「みんな嫌いで家を出たわけじゃない。
変だけど変じゃないの。
それがあたしには当然なことなの。
可哀想な子じゃないの、すごく幸せ者なの。
だから、可哀想だとか思わないで。」
人にどう思われてもいいと思ってたけど、
他人には無関心だったけども多分あたし
は同情というものを彼らにされたくないんだろうな。
「日和ちゃんって強いね。」
「よく言われる。」
夕日に染まる街並みを見つめると遠い日の
記憶が蘇る。
強くなろうと決めたその日からあたしは
頑丈な心を持つことを誓った。
「そうめん味噌汁やってみる?」
「・・・・ヒヨリンに任せる。」
ユウヤ、今すごく嫌そうな顔しなかった?
「嫌なら別メニュー考えるけど・・・」
家の冷蔵庫何が入ってたかな?
でも、結構空っぽなんだよね。
そろそろ買い足したい。
家の近くに来ると何だか違和感を覚えた。
「そんで、おめぇーの家はどこだよ?」
「あの坂を登りますと到着します。」
「ヒヨリンの家だ!!」
ナル君、はしゃいでて可愛い。
「えっと、門の解除しないと。」
鍵を鞄から探ろうと思った。
坂をみんなで登った。
「意外と急な坂だなおいっ。」
伊織君、体力ないねー。
煙草ばっかり吸ってるからだよ。
「だから、下でいいっていつも言ってるんじゃん。」
ただでさえ、送ってもらってるのが非常に悪い気がして
こんな坂まで上らせたくないものだ。