「そんなの勿体ないから家の使う?」

しばらく、当事者が居なかったから

出してないんだけどね。

「えっ?」

馨君はすごい驚く。

何故にそんなに驚くんだ。

「嫌ならいいんだけど・・・」

「ううん、日和ちゃんは家の

場所を知られたくないんだと思ってた。」

あー、そういや坂登るからっていつも

前の電柱でいいやって言ってたな。

「そんなことないよ。

ほら、ナル君にも前ジョセフィーヌの

話をした時遊びにおいでって言ったよね。」

タイミングがとにかくなかったような

気がするよね。

「なんなら、今日来てみる?

ついでに物置を一緒に捜索して

くれると助かる。」

何があるか本当に怖いもん。

「いっ、行く!!」

ナル君が可愛い笑顔を振りまく。

「ただ、ウチ坂登ったところに

あるから大変だよ」

急な小坂があるんだよ。

「日和ちゃんの家はアパートなんだと思ってた。」

「あ、それ隣の隣の隣の古いアパートのこと?」

すごい何十年もそこにあったんだろうなって

感じの古いアパートがある。

「日和ちゃんって一軒家に1人暮らし?」

「うん、結構広くて掃除は大変だけどね。

ジョセフィーヌも一緒だから1人と1匹だね。」

サユは異常の大きさだよとか言ってたけど、

最近は慣れてきたようでよく泊まりにも来る。

「寂しくなったりしない?」

ナル君は瞳を潤ませる。

「平気だよ、ジョセフィーヌが居るし、

サユ家はお向かいさんだし近所の人は

みんなよくしてくれるんだ。」

みんないい人たちで良かったよ。