もう11時を回ってる。
「あわわっ、どうしよう!!」
サユが騒いでないわけない。
家に来てたりして。
「日和ちゃん、落ち着いて。」
馨君はジャングルジムから落ちそうな
あたしに焦っていた。
「こんなところで呑気にアイス食べてる場合
じゃなかったんだよ!!」
絶対、怒られる。
「何か用事でもあった?」
「さっ」
サユって言おうとした。
「日和ちゃん!!」
あ、マコ君。
「横山?」
馨君が不思議そうな顔をする。
「日和ちゃん、心配してたんだよ。
ずっと待ってたのに来ないし、
サユがずっと誘拐されたんだって
言い張るし落ち着かせるのに苦労したよ。」
「ご、ごめんなさい。」
「修平君なんか飛び出して行きそうな
勢いだし、姉弟って似てるよな。」
またマコ君に迷惑を掛けてしまったようだ。
「後でちゃんと説明してね。」
「うん、マコ君サユは?」
さーちゃんはどんなご様子ですか?
「一緒に謝れば許してくれるよ。
後、サユのお父さんもお母さんも
心配してたみたいだよ。」
あたしは周りに迷惑しか掛けてない気がする。
「マコ君、ずっと探してくれてたの?」
「うん、日和ちゃんに何かあったらサユが
泣くし、俺も嫌だからね。」
本当にマコ君は良い人だ。
「一緒に帰ろう?」
マコ君、汗だくだ。
すごい一生懸命探してくれてたんだろう。
申し訳なさ過ぎて落ち込んだ。