慶詩は公園で太極拳をする楽しさを知らないんだよ!!

ジャングルジムの天辺にまで登りつめた。

「いや、日頃の光景とまるで違う。

早く身長伸びないかな!!」

よく寝る子は育つとか言うからよく寝てる。

ゴールデンタイムはきちんと睡眠している。

「もう諦めろ。」

「なっ、絶対にまだ伸びるもん。」

ウチの家系はみんな背が高いんだけどな。

何であたしだけ低いんだ?

これが劣勢遺伝子というヤツなのか!?

遺伝子についてもっと調べて行こう。

そして、原因の追究をせねば納得出来ない。

「ヒヨリンはもう伸びなくていいよ。」

ナル君までそんなこと言っちゃうの!?

「えっ、ヤダよもっと伸びたいよ。

大きくなりたいんだもん。」

昔から憧れだったんだけどな。

小さくて全然伸びないから兄ちゃん

にどうやったら伸びるのって聞いたっけ。

そしたら、兄ちゃんはこう言ってた。

『ひーちゃん、兄ちゃんが居るから大丈夫。

高いところは兄ちゃんに任せろ。』

肩車だって頑張ってしてくれたような

気がする。

あたしが大きくなりたいのは兄ちゃんに

そういう無理をさせたくなかったからだった。

アイスを口に入れると冷たくて口の中が

ひんやりとした。

チューブをガリガリする食べ方をするのが

最適だと思っている。

「しかも黒板届かないしっ。」

これかなりのコンプレックスだ。

背が小さいというのがもうどうしても

好きになれないんだよね。

いつもサユが黒板消してくれる。

サユが・・・・ハッ!!

「ヤバい、完全に忘れてた。」

そういえば、修平君に後ほど伺うと

言っていたのだった。