「…勝手に迷惑だと思う。」
京が女の子に普通なのは日和ちゃんの性格
を気に入ってるんだろうな。
「後は自己完結させるところだな。」
伊織がはぁーとため息を吐く。
「分かってんなら言わせてやるなよ。
それぐらい悟ってやれ。」
千治は何か考えているようだった。
アイツはまたボケーっとしてやがる。
何を考えてるかちっとも分からねぇし。
「日和ちゃん、自分で気付いてるか分かんないけど
負ぶった時すごい震えてた。ありゃ、相当怖かった
んだろうな。それで、日和ちゃんは自分じゃ平気だって
言う子なんだろ?」
俺がそう言うと顔色を変えるこいつ等。
相当、日和ちゃんを気に入ってるんだろうな。
あの子がネオン街に居たってことをすぐに
連絡すると飛んで帰って来たしな。
南のヤツのことは美男に任せたとか言ってたな。
「ヒヨリン、そんな素振り一つも見せなかっ」
「そういうところを見られたくないんだろ?」
ナルの言葉はすごい分かる。
あの子が怯えたのは一瞬のこと。
震えだって車に乗せたら止まってて、
ずっと怖いとか何も言わないで平気な
顔して喋ってるんだ。
普通なら絶対泣くとかするだろう。
でも、あの子は涙一つ流しやしなかった。
多分、あれは簡単に弱音を吐くような
子じゃないだろうな。
頼んだってあの子は言わないと思う。
その分、あの子を甘やかせてやれるのは
お前らじゃないのって話だけどな。
まぁ、そこらへんはお前らの努力が
必要なところだとは思うけどね。
あの子が頑張ってるようにお前らも
頑張れよってことだな。
「あの、もうすぐでトイレットペーパー
切れると思いますよ。」
日和ちゃんはふわりと笑って見せた。