やっぱり夢遊病なのかしら?
「ははっ」
あたしの笑いが乾いている。
みんな、何でそんな冷めた目で見るの!!
「笑いごとじゃねぇだろうが!!」
ひっぃぃぃー!!
金髪ライオンがはぁーとため息を吐きだしたか
と思うとすぐさま長々と説教に入った。
「おめぇーは何でそう事件に巻き込まれんだ?
どう考えてもそれで逃げ切れたっつうのが納得
いかねぇんだよ。」
「でも、遅かったよ?」
「遅かったよじゃねーの。」
伊織君はイラっとしていた。
「なっ、あたしだって好きで追われてたわけ
じゃないんだよね!!
むしろ、何で追ってくると思ったぐらいだ。」
大体、何故追われることになったのか謎である。
クルミちゃんが言うにはあの人たちすごくタチ
の悪い集団だったって言ってた。
「そりゃ、タチの悪ぃのに追われたんだろ?」
「だから、何故タチが悪いんだ?
クルミちゃんもそんなこと言ってた!!
そもそも、女の子一人にあの大群は酷すぎるっ。
あれじゃ、捕まるのも時間の問題だったわ。」
クルミちゃんが無事に帰れて本当に良かった。
「お前分かってない。」
ちぃー君?
大王降臨なさってますよ。
ひっぃぃぃー!!
「わ、分かんないよっ!!
け、けど、分かったことが一つある。
あのままだったらあたしはとんでもない
後悔をしていたということだ。
やっちゃんさんが来てくれなかったら
ボコボコにされていたに違いない。」
「それ以上だったかもしれないね。」
馨君、優しい口調だけど言ってること
怖いですからね!!
でも、何となく言いたいことは分かる。