それはまさにスーパーヒーロー登場だった。

追ってきた男たちもビックリしている。

腰を抜かしているのがあたしにも分かる。

まさに天から舞い降りてきた蜘蛛の糸ごとく

救いの一手だった。

こんな夜に知りもしないところを彷徨う

あたしには有り難くてとにかく知り合いと

出くわせたという奇跡に感動してその人に

抱きついてしまった。

「えっ、ひよっ、日和ちゃん?」

すっころんだことなんてもう完全に忘れてて、

目の前には困った顔をしたその人。

「やっちゃんさん、お会い出来て光栄です!!」

今日もサングラスがとても似合ってます。

スーツを着ていると大人の人なんだなって

改めて思いました。

そして、やっちゃんさんこの状況であなたに

会えたと言うことは本当にあたしは神に見放され

なかったということね。

「何でここに?えっ、しかもこんな時間に!?」

言いたいことはたくさんあるんですけどね。

その前に…

「そんでお前ら何だ?」

やっちゃんさん、サングラスでとっても迫力

満点ですね。

「俺らはその…」

「悪いことは言わねぇからさっさと失せろ。

この子に何かしたらただじゃおかねぇぞ。」

や、やっちゃんさん!?

それは、世に言う脅しではないですか!!

駄目ですよ。

ただでさえ、やっちゃんさんは外見がワイルド

なんですからね!!

「すいやせんっした」

男たちは怯えて消えていった。

夜のネオン街広がるその奥へと、

一度も振り返ることもなく焦っていた感じがして

不気味な気がした。

そして、やっちゃんさんの雰囲気が少しピリリと

していたのが柔らかくなった。