「あのね、鼻緒君。
あたしも君と過ごした夏はとても楽しかったよ。
毎年あたしの足元を可愛く照らしてくれてありがとう。
このご恩はきっと忘れないわ。
だから、後もう少し付き合うのです!!」
君に去られて困るのはご免よ。
「なぁ、あの子何か喋ってねぇか?」
「つうか、気味が悪ぃ。」
後ろの男たちに気付かず会話を続ける
日和と下駄の鼻緒君。
『日和ちゃん、俺っちもそうしたいさ。
日和ちゃんを置いて行くなんて俺っち
君の下駄として最低さ。
どうにか君の役に立つことを最後に
成し遂げたいと思ってるところさ。』
ん?
今の言葉訂正しませんね。
「鼻緒君、最後の言葉リピートアフターミー。」
『だから、どうにか君の役に立つことを
最後に成し遂げたいと思っているのさ。』
鼻緒君、君の熱い友情にあたしは心を打たれた。
「その言葉に撤回はありませんか?」
最後にこんなことを考えるご主人でごめんね。
きっと君の活躍を忘れたりしないよ。
『えっ、男に二言はないのさ。』
「それなら、最後にあたしのために
して貰いたいことがあります。」
鼻緒君に最後のミッションを言いましょう。
『何だい?俺っちに出来ることならっうっ…
日和ちゃんそろそろこの俺っちは千切れる
ようだ。今までお世話になったよ。
日和ちゃんのこと大好きだったさ。』
感動のお別れ中すまん。
「ならば、あたしのために最後アイツらの
足止めになってくれ。」
鼻緒君、えっと驚く。
『ひ、日和ちゃん!?』
「君の活躍に期待している。
また、出会えることを信じて待っているよ!
さらば、Adios !!」
そう言ったと同時に下駄の鼻緒が千切れた。