咄嗟に逃げたのが多分まずかった。

そのまま素通りしてコンビニ探せば良かった

のにあたしは何を思ったのか捕まりたくない

一心で逃げるを選択した。

それが間違いだったのである。

折角、逃げ延びたのにまた同じ状況に

戻ることになるとはあたしもついていない。

こんなことならコンビニ諦めて家に帰れば

良かったな。

クルミちゃんの言うとおりタクシーで安全

に帰ることを選べば良かった。

今更こんなことが通用する世の中じゃない。

過去には戻れないのである。

現在は進行している。

「おいっ、待てや。」

だから、待てと言われて待つヤツが居るわけない。

こんなことエンドレスに続けるとか酷過ぎる。

早く帰らせてよ。

あたしはただアイスを買いに出ただけなんだってば。

「何故追われなきゃならない!?」

そして、石を投げつけた恨み恐るべし。

すごい俊足なんだけど!!

お兄さん、いい脚してるよ。

その脚、他に使えることあると思うよ。

例えば、警察官。

犯人を追うためにはその脚がどれだけ

役に立つことか。

他にも陸上選手とかさ、走ることを

仕事にしたらいいと思うよね。

こんな小娘を追ってもお金にならないよ。

だから、ぜひとも就職を考えて今から

レッツチャレンジッ!!

「お前さっきの石投げてきたヤツじゃん!!」

えっ、今更ですか?

それを今になって気付くとかどんだけ頭

弱いのだろうか!!

国家公務員は無理そうね。

就職先は変えるべきだわ。

せめて、宅配の仕事すればいいと思う。