自分を大切にしてね。
クルミちゃんは良い子だと思うから。
「夏休み明けに何か奢るよ。
そうだ、女子会開きたいと思ってたんだ。
さゆっちとあやのっちも一緒にやろうね。
何か、ワクワクしてきた。」
クルミちゃんがにっこり笑う。
「はい、サユにも聞いてみますね。
夏休み明けには元気なクルミちゃんと
お会い出来ること楽しみにしています。」
クルミちゃんはやっぱり元気でパワフル
に限るこれが今日の収穫だと思う。
「うんっ!!ひよっちもね。」
最後にクルミちゃんにハグされて
タクシーが暗闇に消えていくのを
見送って安心した。
ふぅ、良かった。
何事も起きなくてこれでアイスを買って
サユ家にお邪魔しよう。
そしたら、修平君とサユに遅くなって
ごめんと謝ってそれから今日の逃走中
をお話しようかな。
こんなにスリリングな体験をしましたって
言ったらサユはきっと怒るだろうな。
修平君にも怒られそうだな。
タクシー広場に背を向けてからこの辺に
コンビニとやらはどこにあるんだろうと
ウロウロしていた時のことだった。
やっと解放されたはずだった。
もう見ることもなかったのだ。
さっき、あたしが石を投げたと
思われる男ともう一人すごい怖そうな
眼鏡した男と遭遇した。
あたしはこの時、素通りしてれば良かった。
向こうは多分気付いてなかったと思う。
あたしの格好はダサいし暗闇の中では
結構分かりづらいのである。
だから、向こうがあたしに気付く可能性
なんて明らかに低かった。
何せ、彼らの目的はクルミちゃん。