人間、究極にヤバいと何でも出来るように

なるとかなんとか。

「ヤダ。」

若干、気を緩ませたせいか距離を詰められた

ようで男たちの勢いが凄まじい。

クルミちゃんに触れるか触れないかぐらいで

足を高速に動かしクルミちゃんを強引に引いた。

どこかそろそろ休まないと体力が持ちそうに

ないみたいだ。

あたしがというよりはクルミちゃんがだ。

嗚咽で呼吸困難みたいになってるし、休ませて

あげたいのだ。

一気にスピードをあげたせいか男たちと遥か

遠い距離になって狭い路地で入り組んだ。

これで少し撒けるだろうか?

しかし、人は結構通ってる方に逃げていた

というのにみんな見て見ぬフリだ。

世間の人は冷たいですな。

せめて、女の子が追われてるよ警察呼んで

あげようとかならないの?

「クルミちゃん、こっち」

女の子が入れるぐらいの隙間を利用して

隠れることにした。

かくれんぼみたいだがこれはある意味

スリリング満点だ。

見つかったら即アウト。

これぞ、逃走中!!

賞金をかけた熱い戦いが繰り広げられる。

ハンターに捕まったら牢獄行きの逃げきれば

がっぽり賞金を貰えるあれではないか!

だけど、今はやりたくなかったよね。

不良メンバーズとやるかくれんぼとか

鬼ごっこの方が断然楽しいのね。

ももっちと一緒に隠れるのが今のところ

ベストなんだよね!!

そんなことはどうだっていい?

早く逃げろってか?

隠れていますからね。

ただ息を潜めるしかありません。

見つからなきゃだいぶ体力温存する

ことが出来るということだ。