あたしが言わなくてもクルミちゃんが
言っちゃうに違いない。
それはまたややこしいことになるからね。
何で黙ってたのとか責められても困るし、
サユには言っておこう。
う~ん、それにしても何故あたしはよく
人に巻き込まれるのだろうか?
そんな素質があったら嫌なんですが?
やっぱり悪霊が憑りついているのかもしれない。
腕のいい霊媒師に祓ってもらいたい。
この先、ずっと巻き込まれ損なんて
体がいくらあっても持たない気がする。
「クルミちゃん、これどこに行ってるの?」
迷わず突き進んでるみたいだけどさ。
「えっ、分かんない。とりあえず、逃げろ
みたいな!!」
なっ、クルミちゃんを侮ってた。
どうもどこに向かっているか分からないらしい。
北地区や東地区、南地区までに進出してたら
どうしようなんて思いながら今はそんなことを
言ってる場合ではなくとりあえず奴らから逃げる
絶対に捕まったら駄目な気がする。
とにかく、巻き込まれた以上はクルミちゃんと
この先どうするか検討しなくてはならない。
だが、逃げる。
今はその言葉に尽きるのである。
これ以上のことは一旦置いておこう。
奴らの手から逃げる。
ただそれだけのことで必死になるとは
恐るべきクルミちゃん。
いつか何かを持ってくるとは思っていたけど
これほど厄介なことになるとは…
「おいっ、あっち行ったぞ。」
後ろにはありえない数の男たち。
クルミちゃんは確かに美人な方ではある。
こんだけ化粧しているけどさ、細いしモテない
わけではないけど、男多いよ!!
こんなにたくさんの男に追われることになるとは
あたしも出世したものだ。
※自分じゃないですよ。
さて、どうやって撒けるかしら?