「い、居たぞ。」

男の声が聞こえてあたしはビビった。

あたしはまだ茂みに隠れていたのだ。

クルミちゃんはすごい顔を青ざめて、

どうしようってなった。

そんなクルミちゃんをほっておくこと

なんて到底出来なかった。

そんなあたしはクルミちゃんの手を掴んで

近くにあった石を目撃した男に投げつけて

時間を稼いでそれから走った。

走ってる途中にクルミちゃんにフードを

被ってた方がいいって言われた。

丁度、フード付の半袖パーカーを着ていた

のが良かったみたいだ。

「顔知られたらヤバいかも。この眼鏡度が入って

ないから貸すよ。ウチ、化粧結構盛ってるから

大丈夫だし。」

クルミちゃんに黒縁のお洒落眼鏡を借りた。

「あの、聞いてもいいですか?」

それにしたって、どうしてあの方々はクルミちゃん

を追ってくるのだ?

「うん?」

「あの方々はクルミちゃんに用事ですか?」

そう聞くとクルミちゃんは困ったように笑った。

「あたしがイケないの。

ひよっちまで巻き込んじゃってごめん。

夕飯代浮くからって友達の合コンついて

来たら何かヤバい人たちでさ。」

さっきの男たちまで戻ってきたみたいで、

あたしたちの後を追ってくる。

「噂には聞いたこと合ってさ、

トイレ行くフリして逃げ出したんだ。

そしたら、ああやって追ってきてさ

意味分かんないんだけど!!」

クルミちゃんがあたしの腕を引く形に

変わり先導してくれた。

夜道で全くといって昼間とは打って変わって

全然違うからどうもどこに行ったらいいのか

よく分からなかった。