「ひよっち、ヤバいの!!」
はい!?
急に、ヤバいとか言われても事情も何も
さっぱりなんですが!!
「あの方々が行ったらとりあえず説明して
もらえますか?」
話を聞かないことには何とも言えないわ。
本当に焦ってるみたいだし、力になれるなら
なってあげたいわ。
クルミちゃんもあたしと仲良くしてくれる
女の子だから一応友達だと思ってる。
「うん、ごめんね。巻き込んじゃって。」
眉を下げて不安そうにするクルミちゃん。
「大丈夫ですよ、向こうの方に交番も
ありましたから余程のことだったら
相談に乗ってもらいましょう。」
いつもパワフルクルミちゃんじゃない。
落ち込んでて焦っていて何か困ってる。
そんなクルミちゃんを助けてあげたい。
「ひっ、ひよっち!!」
ぎゅうっとクルミちゃんに抱きつかれて
ひっくり返りそうになった。
「あの、この態勢は正直キツイものが
ありますよ。」
しゃがんだままのマトリックス状態に
クルミちゃんを押しのけた。
「ごめん、ごめん。」
えへっ、なんて笑うクルミちゃんが笑って
いつもどおりになったので一安心だった。
このまま、どうにかなるなんて思っていた
のがどうも甘かったらしい。
あたしはいつも事件に巻き込まれる側である。
決して自分が引き起こしたことはない。
いつも気が付くと巻き込まれて居る。
あたしには何か悪霊が憑りついているのかも
しれないと思い知ることになるのはそれから
5分後のことになる。
茂みでしばらく息を潜めていたもそろそろ
出て行って大丈夫だろうと思ったクルミちゃんが
茂みから出た時に残って見回っていた男が丁度
こっちを目撃したらしい。