いつでもいいけど、今気付いたということは
返したいんだろうな。
「それじゃあ、後で取りに伺います。」
『そうしてくれると助かる。
今、姉ちゃんとゲーム中。』
うん、サユと仲良しさんで何よりです。
そこにあたしも交じってしまいたい。
「分かりました、後ほどお宅訪問しますね。」
とりあえず、スーパーはなまるが閉まる前に
行ってしまってからでも良いだろう。
『じゃあ、待ってる』
はいっ、修平君かわゆい。
今、絶対照れたに違いないね!!
真正面から見てやりたかったね。
修平君との電話に浮かれて玄関で
下駄を履いて出てきてしまったことには
若干の後悔をすることになる。
浮かれモードのあたしはケータイをうっかり
テーブルに置いてきてしまった。
まぁ、とくに必要ないだろう。
普段はそんなに持ち歩いてない。
あまり持ち歩かない主義でたまにサユに
ちゃんと持ってなさいよって怒られる。
そういえば、下駄は玄関掃除をしている時に
発掘したものでついつい風流だなと思って
出していたのだ。
ちょっと、鼻緒が緩くてもうすぐで壊れるであろう。
この機に新しい下駄を注文しようかな。
最近の下駄はとても種類が豊富と聞く。
下駄で散歩とかカッコイイ。
ダディは下駄で散歩に行くと言ってたし、
ダディに見習ってそうしようかな!!
スーパーはなまる意外と遠し。
いつもは自転車だからそんなに遠く感じなかった。
しかし、こんなに遠いとはビックリだね。
次からは歩いて来ようなんて馬鹿はしないよう
に気をつけましょうかね。
道で猫ちゃんに遭遇したり電柱に溜まる
虫と格闘している内にどんどん家から
遠ざかっていつも通る公園を通った。