「日和ちゃんに喜んでもらえてたなら嬉しいな。」
馨君はきっと無自覚なのかもしれない。
ドキドキしちゃうではないか。
「馨君はどうしたら喜んでくれる?」
あたしも馨君に何か出来ないかな?
いつも馨君にばかり喜ばせて貰って、
お返しをしたい。
「日和ちゃんが一緒だと結構嬉しいよ?」
キュン。
もう心臓に住んでる小人のおじさんたちが
大パニック中ですよ。
「馨君に完敗です。」
ドキドキが半端ないというのはこういうことなのね。
普段から耐震強度を誇るあたしの心臓ですが。
さすが、イケメン軍団。
「だから、日和ちゃんが一緒だと和むよ。」
そんなこと言われたのは初めてかもしれない。
いつも騒がしいって言われるし、妄想ばっかり
してんじゃねぇよって言われるんだよ。
「そんなこと言っちゃうとあたし馨君の
お傍から離れないよ!!」
そう言うと馨君はクスリと笑いながら、
「それでもいいよ。」
大人っぽく言い放った。
この人は!!
どうしてそんなことをさらりと言って
しまえるのです。
さすが、大人な人代表馨君。
この大人っぽさを見習うべきであるよ。
「でも、ホントのことね。
もしも、馨君が寂しくなったらあたしが
一緒に居てあげるから遠慮しないでね。」
馨君は人一倍頑張り屋さんな気がする。
その頑張りがいつまでも続くならいいけど、
もしも馨君が無理をするならあたしはきっと
馨君を休ませてあげたい。
「日和ちゃんには驚かされるね。」
「へっ?」
それで、甘やかされた分あたしが馨君を
甘やかせてやろうと思う。