夏休みも折り返しを過ぎたな。
「みんな宿題やってなさそうだよね。」
あたしは心配事を一つ持っていた。
「あ、やってないだろうね。」
最後の日に泣きながらやるんだろうな。
よっちゃんに泣きつかれるとか良くあるな。
「日和ちゃんは確か夏休みに入る前に終わった
んだったよね?」
「うん、思ったよりも少なかったよ。」
もう少しあるものかと踏んでいた。
何せ、中学の時は多かった。
高校に入っても多いものだと思ったら
さすがに偏差値低いだけある。
ウチの学校は緩すぎる。
「そうでもなかったと思うけど。」
「馨君は終わったんだね。」
さすが、馨君。
「一応ね。」
そういえば、馨君はあたしと2歳も離れて
いるんだっけか?
それでもあたしなんかよりもずっと大人
っぽくて優しいよね。
ハーブティーとカフェオレが出てきた。
カモミールの優しい匂いが漂う。
ハーブティーの中で一番好きなのは
このカモミールだ。
夜、寝る前とかに飲むとぐっすり眠れる。
ふわ~っと香る甘い香りにうっとりだ。
「お、美味しい。」
驚きの美味しさに口元が緩む。
「良かった、日和ちゃんハーブティー
結構好きだよね。」
もしかして、調べてくれたのかな?
「うん、馨君が淹れてくれるハーブティーが
一番好きだけどね。」
オレンジジュースばっかりではない。
雨の日続きで落ち込んでた時もあたしに
少しでも落ちつけばとよく淹れてくれた。
そんな馨君の優しさが詰まったハーブティーに
勝るものはきっとないだろうな。