でも、本当に笑ってくれると堪らなく嬉しくなる。
京様同様、馨君の笑顔は希少価値なのだ。
「少し付き合って貰えるかな?」
「もちろん、いいよ。」
馨君のお願いは断る理由がない。
「2時ぐらいにマンションに行けばいい?」
馨君にわざわざ家まで来てもらうのは
申し訳ない気がする。
「えっ、迎えに行くよ?」
「ううん、待たせちゃうと悪いから
あたしが馨君を迎えに行くよ!!」
ヨガのシート仕舞わなきゃ。
帰りどれぐらいになるか分からないから
ジョセフィーヌのエサを用意しておかないとね。
後は、この服じゃ不味いから着替えよう。
だいぶ、汗もかいた。
「分かった、それじゃあ待ってるよ。」
馨君を確実に待たせる気がする。
それは申し訳ないことこの上ないから、
せめてあたしが迎えに行くと言うね。
「じゃあ、着いたら電話するね!」
急いで支度をしないと。
2時まであと30分しかないわ。
馨君に付き合うからにはあまり恥を
かかせないような服を選ばなきゃね。
ヨガシートを片付けてシャワーをさっと
浴びてから髪を乾かし暑いのでシュシュで
まとめた。
服はショートパンツに上はカジュアルだが
そんなにダサくない感じのトップスにして、
ビーサンだとさすがに悪いのでショートパンツ
に合いそうなサンダルを組み合わせた。
こういう時、普段どれだけ手抜きしているのか
を思い知る。
馨君はダサいあたしを知っているけども、
一緒にいて馨君の品格まで下げるようなことしたら
次は二度と来ない気がして怖いからさすがに頑張る。
馨君のお誘いはそれぐらい貴重なのだ。
どっかの金髪ライオンとは比べものにならない
ほどにな。