ついにこの日が来たのね!!

ドキドキしながらバットを持ってボールが

来るのを今か今かと待ち構える。

「ターヤン、速度落とせ!!」

慶詩の声にターヤンさんからの了解が来る。

お客さんはそんなに居ないけど、やっぱり

野球部っぽい人が居たりして田中はこういう

ところでいつも練習頑張っていたのかと知った。

ヒューンッってすごいこれが機械の速さ。

でも、今のは空振りだった。

後少し上を狙って角度はもう少し斜めで構えた

方が良さそうね。

※日和は負けず嫌いです。

カッキーンとボールがバットに当たった感覚に

胸が躍った。

「み、見ましたか今の!!!」

テンション上がるんです!!

「おめぇー意外と運動神経いいよな。」

慶詩が椅子に座って見てた。

「ほ、褒めても何も出さないぞ。」

勢いよく出る球を次々と打ち続けた。

そういえば、しばらく安静だったから

体動かしてなかった。

ずっとウズウズしていたんだよね。

でも、足が治るまでは我慢と思ってた

から家にこもってたし、何か気持ちいい

ぐらいだった。

バッティングセンターってストレス解消

とかに絶対に良い気がする。

よく分かんないけど、スッキリした。

カッキーンと打ち続けるあたしに他の

お客さんも息を呑むほどだった。

初心者にしては随分打った方じゃないか

と思ったら慶詩が目を点にさせていた。

「えっ、何?」

慶詩に手を振るとハッとした慶詩が、

「おめぇー超人だったのか?」

そんなわけあるかーとツッコミ入れる

べきなんだろうかと一瞬考えた。