それとも、ターヤンさんは透視が出来ちゃうのか!?

見えてますとか言っちゃうのか!?

パニックになっているとターヤンさんが大口開けて

豪快に笑った。

「慶詩がそう言ってた。」

ターヤンさんは見た目と違って笑い上戸だと思う。

出会った時は確か怖そうでちびりそうなぐらい

イカツイ兄ちゃんが目の前に居るよと思ってすぐに

でも帰りたかったような気がする。

「これは冷蔵庫で預かっとくからまぁ試しにどう?」

ターヤンさんが指さすのは慶詩が入って行った

扉の方でそこに何があるんだろうと思って覗くと

感動のあまり言葉を失った。

し、知ってるよ!!

ここに一度でもいいから来てみたかった。

「け、慶詩っ!!」

慶詩はどこに居るんだと思いながら駆けだした。

大きな広い空間が広がるそこはあたしが一度

でもいいから来てみたいと思っていたバッティング

センターとやらだった。

「んだよっ!!」

騒ぐなうるせぇーって言いながら一つのバッター

ボックスの中から慶詩が出てきた。

「こ、ここは!!」

興奮で落ち着かない

「何だ、来たことねぇんだろ?」

「うん!!一度来てみたいと思ってた!!」

だから、興奮で倒れそうだ。

田中から話には聞いていた。

そういうようなところで練習していた

って話を聞いて一度行ってみたいなと思った。

それでも、いつの間にかその存在を忘れて

結局行くタイミングを今の今まで作りだせなかった。

「まぁ、初心者には俺の速度じゃついて来れねぇな。」

今は慶詩の嫌味も大したことないよ。

こんな機会を待っていたのだ。

「うわっ、ドキドキする。

どうやって中に入れば良いのだ?」

慶詩ははぁーてため息を吐いてから

こっちだって誘導してくれた。