簡単になれるとは決して思ってもない。

ただ、単純に仲良くしましょうって言う

のもそれはまた口だけになっちゃうと思う。

きっと、気付かない内にっていうのが後

どれぐらい先までのことなのかとか考える

と途方もない気がする。

サユとはまた違うのかもしれない。

言葉にならないぐらい難しいことなのかも

しれないよ。

「正直よー、俺はあんまお前と馴れ合うのは

ごめんだったんだよね~。」

いきなり、重い話なのかい!?

あたしと馴れ合うのって・・・嫌だったの!!

ガラスのハートが今伊織君のハンマーで粉砕

したと思います。

「はい・・・それはどう受け止めれば・・」

この粉砕したあたしのハートは粉々ですよ。

「意味分かんねぇーじゃんよー。委員長ってだけで

プリント届けに来るとか何企んでんだって別の真意

があんじゃねぇーかって俺は考えちゃうタイプの人間

だしよう。」

伊織君、何気裏の裏を考えてそうだもんね。

慎重派っていうのかよく分かんないけど、

伊織君あってのみんなだってのは知ってる。

「うん」

きっと伊織君はみんなのやりたがらない仕事を

しちゃう人なんだろうね。

疑うってことはかなりのリスクを背負う。

「けど、おめぇーは何も考えてなかった。

その癖、妄想お花畑のひよこのお嬢ちゃんだしよ。

疑ったのが馬鹿みてぇじゃん。」

そんなことないよ。

誰だって普通にそうなるもんだよ。

「伊織君はみんなのことが大好きなだけだよ。

そういうの羨ましいもん。

すごく大切に思ってるからあたしみたいな未知な

生物が現れたら意味分かんないって思うのは当然

なことだと思う!」

十分心に留めておくよ。

あたしだって好きで届けに行ったわけじゃなかった。

でも、もし届けることもなかったのならあたしは一生

こんなにたくさんの友達は出来なかったと思う。