それにしても、意外と気が利くではないか!
どういう風の吹き回し?
後が怖いわ。もしかして、伊織君は何か企んで
いるのかもしれない。
「おめーが怪我してるってのもあるけど、
女乗せてる時にスピード出したら危ねぇーだろ?」
「そうなの?」
女とか関係あるのか?
誰が乗っていても危ないと思うよ。
スピードは出来るだけ抑えるべきだ。
でも、何か伊織君やっぱり女を分かってらっしゃる。
きゅんとしてしまうとは伊織君やりおる。
「そんでも、俺は女は後ろに乗せねぇ主義だから
余計どれぐらいか加減出来てねぇーな。」
そ、それはどういう意味だ!!
「あたしは女でないと言いたいのか!?」
こう見えて女です。
伊織君には見えないのかね!!
後ろに乗っているのはひよこではありません。
人間の女の子ですぞ!
「んー、どうだろうな。
でもまぁ、後ろ乗せるのに抵抗はなかったなー。」
なっ、何てさらりとそういうこと言っちゃう!?
あたしのハートは60HP削れた。
このガラスのハートナメるなよ!!
「伊織君、酷い!!」
何かあたしは伊織君の中でそんなに男らしい
ことをしてしまったのか?
「普段は抵抗するってこと?」
伊織君、意外と謎に包まれた男だ。
魔導師なだけあるぜ。
「女はベットの上で十分だ。」
あんたの方程式は間違ってるよ!
伊織君は恋というものをしたことが
ないと見るね。
ハレンチワールドの虜になった男なのね!!
彼女は居ないって言ってたもんね。
不特定多数の女性を相手にしているとか
あんたは何て器用な男なんだ。
ある意味、尊敬に値するよ。