「ホント、おめぇ~がドンマイだよな。

肝試しで迷子になってその挙句崖から

転がり落ちるとかお前は何になりたいわけ?」

伊織君、あたしが一番疑問に思ってるよ!

「ワカリマセン」

はぁーとため息を吐く伊織君。

そのため息はあたしのせいですかね?

すまないね。

水着美女じゃないし、危ない妄想女で。

「そんで、どうすんだ?

病院行くんだろう。

歩けるんだろうな?」

伊織君、ケンケンで歩けるぞ。

テレビを消して家から出る伊織君に

ケンケンで追いかけた。

家は鍵を閉めなくていいのかしら?

そう思っていたら、伊織君がポケットから

鍵を取り出して閉めた。

「交通手段はどうしますかね?」

この足では病院に一日掛かっても辿り

着けないだろうね。

「後ろに乗ろうか?」

い、伊織君その乗り物は・・・

「・・・ええっ?」

パクパク口を開けるあたしを見て面倒臭そうに

舌打ちする伊織君。

「乗れねぇ~って言う気か?

確か、ちぃーの後ろに乗ったんだろ。」

「うん、その足が届かぬのだ。」

そして、見てこの足!!

どんなに頑張っても1人で跨ぐの

無理に近いよね!!

「乗せてやるか~」

お子ちゃまだなと言わんばかりの

扱いを受ける。

その前にヘルメット被れと言われて

ヘルメットを被せられて。

バイクの上に乗せられるとああ重いって

言われた。