ソファーで転がること30分ぐらい経った頃だ。

気が抜けてウトウトしていたせいか視界が

曖昧でよく見えてなかった。

でも、そのセクシーな眼差しを見て眠気が

ぶっ飛んだと思う。

「な、何で居るんだ?」

モカブラウンの髪がユラユラ揺れる。

ふわりと香る匂いもいい匂いで女の子に

モテるだけある。

いつも煙草を咥えるその唇はとんでもなく

セクシー過ぎて・・・

「俺だって好きで居るわけじゃないんだよねぇ~」

さっき見送ったはずってそういえば見てない!!

何故、気付かなかった。

ずっと、ここに居たと言うことか?

「言っとっけど、今来たばっかりだ。」

はぁい?

「美男にバイク借りて来た。」

「何で?」

伊織君がどうしてここに居るの!?

「しょうがねぇ~じゃねぇーの。

ターヤン、仕事入っちまって戻ったんだからよ。」

ああ、それで居なかったの?

って、えええ!?

「やっちゃんは元々今日は用事あるって言うしよ。

そんで、どうすっかってなってよ~。」

うん、すごいやる気ナッシングですね。

水着美女とキャッキャッしたかったのね。

ごめんな、水着美女じゃなくてよ!!

「じゃんけんで負けたヤツにしようって

なったら負けちまってよー。」

それは運が悪かったとしか言いようがない。

残念な運の持ち主である。

「ドンマイだね。」

伊織君、そんなあたしもドンマイなのよ。

折角の海がビーチバレーだってやりたかったな。

今日こそ海入ろうと思ってたのにな。

それでサユと泳ぐ練習してとかいろいろ

考えていたけど、こんな有様である。