ベルトを引っ張るときつく仕舞って危うく
自分の首を絞めそうになった。
「・・・死ぬぅ」
ゲホゲホ咽るあたしを3人笑いやがった。
「貸せ。」
ちぃー君、超強引なんですけど!?
「ぐへっ」
ベルトをちぃー君に絞めてもらうことに、
何だこれはあたし子どもみたいだ。
「下手糞」
ムッとなりながらちぃー君を睨んだ。
そんなこと言われたってヘルメットを
毎日被ってるわけじゃないから!!
防災訓練とかそんな時にしか使わないじゃないの。
「お前、乗れるか?」
うん、ちぃー君の後ろにか!?
む、無理だすよ。
「どうやって乗ればいいのか分かりません。
っていうか、足が届きませんよ。」
あたしの足はサユより短いです。
身長が小さいものですから。
「やっぱ、小せぇな」
ユウヤ、それ喧嘩売ってる?
小さくても心は大きいぞ。
「うほっ」
いきなり宙に浮いちゃったよ。
あたし、UFOに呼ばれちゃったか?
すげぇなおいっ。
人類の快挙かもしれないぞ★
「しっかり捕まらねぇと振り落す。」
はい?
それ脅しですか?
ねぇ、ちぃー君。
慶詩が笑いながらエンジンをガンガン鳴らして、
先にユウヤを乗せて発進したバイクを前にあたしは
人生初のバイクに乗るという体験をした。
「えっ、どうすりゃいいのですかい?」
ユウヤの見忘れたよ。
「こうすりゃいい。」
うげっ!!
む、無理だよっ、お兄さん。
ちょっと、ドキっとしてしまったし、
心臓破壊もいいところですよ。
ちぃー君に手を引かれたと思ったらちぃー君
の腰にあたしの腕を巻きつけられた。
これ、軽く抱きしめてませんか?
ユウヤこんなことしてたか?
慶詩に抱きついちゃってたのか!?
そりゃ、笑いもんだ。
写メ撮れば良かったよ。