根気よく諦めたりはしない。
サユのように行くか分からないけど、
京君と2人になった時そう決めたじゃないか。
京君とはやっぱり未だに距離がある。
ナル君のように京君との間に距離がなくなる
日は果たしてやってくるのかとか不安は結構
あるんだよ?
いつか、あたしの妄想癖に飽きられていいやって
ことになり兼ねない。
サユはこの長い間あたしに付き合ってくれたから、
多少あたしが暴走しても笑って止めてくれる。
でも、よく考えて見たらすごく変な女だよね。
妄想して勝手に自分の世界に入り込んじゃうとか
すごい迷惑な話だ。
「日和ちゃん、何か疲れちゃった?」
野菜の匂いが漂う中、馨君とハンモックで
ぐっすり眠ってたはずのちぃー君が座談会に
参戦してきた。
「へっ、あ、ごめん。
あたしがこんなんで迷惑かけてばっかりだ。」
結局、あたしの妄想癖をがっちり受け止めて
くれるのはサユだけなんだろうな。
愛のムチで止めてくれるのはサユだけだ。
マコ君も田中も笑って見守ってくれる。
「日和ちゃん、調子悪い?」
馨君に心配そうに見つめられた。
「反省中なんだよ。」
慶詩はケラケラ笑いながらもっくんとの
ことを説明しだした。
楽しくなれば楽しくなるほど後が怖いって
こういうことなのかな?
「本当に大丈夫?」
そんなに顔色悪いのかな?
ポーカーフェイスって言われるぐらい
無表情なはずなんだけど・・・・
「日和、ちょっと付き合って。」
馨君の返答に愛想笑いを浮かべたあたしを見て、
馨君が困ったように笑った時だった。
サユという救世主があたしのピンチを見かねて
やってきたのである。