不良メンバーズに任せると何か変なものを

食べさせられそうで怖いわ。

「よっちゃん、退いて。」

アフロ頭で必死に包丁を震わせてジャガイモの

皮を剥こうとしているよっちゃん。

「えっ?」

見てると危なっかしいというか何と言うかだ。

「サユの話相手にでもなってて。」

退いた退いた。

ももっちから預かった包丁とまな板を

準備して野菜を次々と華麗にさばいた。

「うわー、ヒヨリンすげぇっ!!」

「ヒヨリンは勉強だけじゃなかったんだな。」

「俺らの夕飯は何とかなりそうだ。」

ところで、こんなに野菜あるけど

何を作るのか?

「やるじゃねぇーの。」

伊織君に負けないぐらい野菜を綺麗に切りそろえた。

「これぐらい当たり前。」

1人暮らしをナメないで欲しい。

包丁を握ってキッチンに立ったのは

小学生になる前からだったんだ。

「今日は何のメニューなの?」

そんなあたしは予想を考える。

ジャガイモに人参、玉ねぎって言えば・・・

「肉じゃがでも作る気か?」

森奥で肉じゃがを作る不良の図。

考えただけでも笑える。

「なっ、お前それボケてんのか?」

慶詩に包丁を突きつけられる。

「あ、危ないではないか!!」

あたしを殺す気ですか?

「お前と話すと全部コントになりそうだ。」

そんな、落ち込まれると責任を感じる。

「まぁ、似てるような感じもしなくはねぇけどな。

お嬢ちゃん、カレーってのは知ってるよな?」

ハッ、そ、そ、そっちだったのね!?

すっかり、肉じゃがだとばかり考えて

いたじゃないか。