人はやっぱり見かけじゃないと思う。
最近つくづくそう思うようになった。
「サユリン、こっちこっち。」
よっちゃんがサユを呼ぶ。
サユが腕を組んでよっちゃんたち不良メンバーズの
輪に入るところを見て嬉しくなった。
焼きそばを口にたくさん詰め込みながら、
サユと不良メンバーズを見ていた。
「そんなにお腹空いてたの?」
ナル君、だってあたしお昼食べてない。
もう3時になっちゃうよ。
「うん。ナル君はお腹空いてない?」
たこ焼きあるよってたこ焼きを一個楊枝に
指してナル君の口元に寄せた。
パクッと食べるナル君は少し頬がピンク色で
可愛いなと思ってもう1個居ると聞いてみた。
「ひーちゃん、飲み物。」
不良メンバーズの子が飲み物を買ってきて
くれたのでお礼を言ってお金を返した。
「いいって。」
お金を返したのに受け取ろうとしなかったから、
ポケットに詰め込んだ。
「駄目だよっ!そういうことするといいカモだと
思われちゃうぞ。」
ジュース代ごときで熱くなるあたしを不良メンバーズ
の会員番号何番なんだっけかがへいと言って頭を下げた。
「ヒヨリンってきっちりしてるよな。
奢ってもらえば良かったじゃん。」
ユウヤ、そういうのはよくないんだよ。
「だって、何か貸し借りって作りたくないし、
友達ってだけで奢ってもらっちゃえっていう
のは良くないじゃないか。」
ジュース一本もされど一本でしょ?
「サユリンはいいのに?」
ナル君は首を傾げる。
「サユとはギブアンドテイクだからね。
あたしのものはサユのものっていうか、
サユのものはあたしのもの・・つまりジャイアニズム。」
ずっと一緒に居ると家族みたいなんだもの。
ただの友達では片付けられない絆がある。