たこ焼きとかも冷たくなっちゃってるよ。
「ほらよ。そっちは寄こしなさい。」
戻って来たか、悪魔め。
袋を渡されてキョトンとした。
「何これ?」
相沢ティーチャーに渡された袋の中を見ると
たこ焼きと焼きそばとかが温かくて・・・
「お嬢ちゃんが良い子にしてたから
ご褒美にでもね。」
人をお子ちゃま扱いせんでくれ。
「さ、サユは?」
キョロキョロ辺りを見回すと、
村田ティーチャーの後ろで背中を蹴るサユを
発見して元気そうで安堵した。
「さーちゃんは全くもって怖い子だ。」
そんなこと言わないでよ。
「あ、あ、ありがとう。」
あんまりお礼とか言いたくない。
「はいはい、ちゃんと言えたみたいだし、
良かったんじゃないの?」
結構、適当だな!
「う、うん」
「じゃあ、そろそろ戻るから楽しんで来いよ。
そこの君たち、このお嬢さんたち2人をよろしく
頼むよ。ウチの可愛い姫と女王は小難しいところ
あるからねぇー。」
どの口が言うか!!
「ナオ行くのか?」
村田ティーチャーに頭を揉みくちゃにされた。
「あんま、喧嘩売るなよ。
この子、きちんと見張っててくれよ。」
し、失礼なっ!
「サユリンお帰り!」
ナル君が可愛い笑顔でサユを迎えた。
サユは嬉しそうに笑ってから小さい声で、
「ただいま。」
そう言った。
2人はそれを見て安心して帰った。
その後ろ姿は憎たらしいけど、助かったよ。
オレンジ色のかき氷もサユもありがとう。