そんな父さんの話をみんなにしちゃうとは、

あたしも自分のことだけじゃなくみんなのこと

知りたいんだけどな。

「みんなは夏と言えば何か話ないの?」

そういえば、全然知らないよ。

「そうだね、あんまり日和ちゃんみたいな

良い話はないかな。」

そうなのか?

あたしのが良い話なのかはさっぱり分からないけど、

もしそれで良い思い出がないと言うなら。

「あたしが一緒に作ってあげるよ。」

父さんのように我儘なんて言わないけどさ、

もしも聞かれたらこんなことがあったよって

言えるような思い出を一緒に作れたらいいと思う。

「日和ちゃん・・・・・」

あたしとが嫌だとか言っても付き合ってもらうぞ。

「ほら、みんなが気付かないだけで結構転がってる

もんだと思うよ。」

向こうで不良メンバーズがビーチバレーのボール

で遊んでいる。

「小さな思い出も心に残るかどうかっていうのは

人の思い方の違いだと思わない?」

大きな思い出も小さな思い出も嫌な思い出も

良い思い出も全部その人の受け止め方だとあたし

は思うんだよね。

「だから、一緒に作ってあげる。」

みんなの心に残る思い出を一緒に作りましょう。

「ヒヨリンの純真パワー威力大!!」

ユウヤがぎゃははと笑う。

「なっ、何それ!!」

ユウヤが勝手に笑うとか許さない。

あたしも入れたまえ。

「ヒヨリン、自分の言った言葉には

責任持つんだよね?」

ナル君、それ覚えてたんだ?

「うん?」

ナル君が可愛い顔をして尋ねるから

きゅんとしてしまったよ。

ドキドキMaxですなー。