ホウキとちりとりで何をする気なんだ?

全く兄ちゃんはパニックになると何し出すか

分かったもんじゃないとお兄ちゃんと顔を

見合わせて笑った。

先にリビングに到着した兄ちゃんが立ち尽くしてた。

『兄ちゃん?』

『透真、どうした?』

一体、何があった!?

兄ちゃんは急に顔を赤くして怒った。

『親父、何で今頃帰って来てんだ!!

ひーちゃんとの約束破っといて。

どこをほっつき歩いてたんだよ!!』

兄ちゃんがリビングにズカズカ入って行く。

父さん、帰って来たの?

もうそれでいいや。

本当は少し心配だったの。

父さんが約束を破って帰って来ないなんて

何かあったのかと思って心配だった。

『えっ、今日何日だ?

明日が祭りじゃなかったっけ?』

やっぱり、忘れてただけか。

『今日だった!!』

『う、嘘だろっ!!

毎年、楽しみにしてたのに・・・

あ、明日じゃないのか?』

兄ちゃんの肩を揺する父さんを見て

茫然とお兄ちゃんとその心底落ち込んだ

父さんを見た。

『ひーちゃん、ごめんな。

父さん、約束破っちゃったな。

行くって楽しみにしてたのに、

父さん酷いことして・・・』

すごい落ち込んだ父さんを見て、

涙も出はしなかった。

ただ、少しだけ拗ねてた。

約束破ったんだからこれぐらいは

いいだろうって思ってだ。

『ひーちゃん、本当にごめんな。』

そうやって、土下座をする父さんに

ツンとした。